02.振付IP海外紛争事例 - 米国

この記事は、XSTAGEが活動する韓国の著作権状況を反映したものです。
振付は創作者の努力とセンスが込められた独創的な芸術です。現在、法的保護体制が不十分な状況で、振付家の権利をめぐる紛争が米国でも着実に発生しています。本稿では、米国での振付著作権に関する紛争事例とそこから得られる教訓をご紹介します。
米国の振付著作権紛争事例
(1) ケーシー・ライシー vs. バウマン・スタジオ (1986) 事件の概要
ケイシー・ライシー(Casey Reas)は、自身の振付が無断使用されたとして著作権侵害訴訟を提起しました。
結果:裁判所は「振付が具体的に記録されていない場合、著作権の保護を受けることができない」と判断し、創作者の主張を却下しました。
意味:この事件により、振付が著作権の保護を受けるためには、必ず固定された形で存在しなければならないという基準が確立されました。
(2) ブラックアイドピースのミュージックビデオ訴訟 (2009) 事件の概要
ブラック・アイド・ピースの「Boom Boom Pow」のミュージックビデオが既存の振付を無断使用したとして、原作振付家が訴訟を提起しました。
結果及び意味:裁判所は原作振付家の創作性と振付の固定された記録を認め、原告勝訴の判決を下しました。この判決は振付家の著作権保護を認めた重要な先例となりました。
(3) カイル・ハニグマンvs.アップル (2017) 事件の概要
振付家カイル・ハニグマン(Kyle Hanagami)が、自身のダンスの動きがアップルの広告で無断使用されたと主張しました。
結果:紛争は非公開の和解で解決されましたが、クリエイターの権利主張における重要な先例として注目されました。
(4)フォートナイトダンス著作権論争 (2018) 事件の概要
Epic Gamesの人気ゲーム「Fortnite」が「Milly Rock」、「Carlton Dance」、「Floss Dance」など様々なダンス動作をゲーム内の有料「ダンスエモート」として販売し、訴訟に発展しました。
ラッパーの2 Milly(2 Milly)が自身のダンス「Milly Rock」の無断使用を理由に訴訟を提起しました。 カールトンダンス(Carlton Dance)とバックパックキッド(Backpack Kid)も同様の訴訟を起こしました。
結果:裁判所は「振付が固定された形で存在しない場合、著作権の保護を受けることができない」という理由で、エピックゲームズの主張を認めました。
意味:この事件は振付著作権の限界を示し、創作者が自身の作品を記録し、法的に保護する必要性を再認識させました。
振付家への示唆
(1) 作品記録の必要性 振付は、映像や楽譜などで固定された形で記録しなければ、著作権の保護を受けることができません。
(2) 契約の重要性 振付を提供する際には、著作権の帰属と使用条件を明示した契約書の作成が不可欠です。
(3) 協会への加入 ダンス芸術関連団体に加入することで、専門的なネットワークと法的サポートを得ることができます。
振付の著作権主張には準備と工夫が必要
米国の事例は、振付が法的保護を受けることができる創作物であることを示しています。ただし、そのためには著作権登録と固定された形の記録が不可欠です。デジタル時代にふさわしい振付家の権利保護には、技術と法的支援を組み合わせた体系的な保護の仕組みが必要です。
振付は単なる動作ではなく、創作者の魂が込められた芸術です。今後、振付著作権がさらに強化され、創作者の権利が十分に保障されることを期待しています。